心拍計を使いこなそう!! その2
前回の記事では、心拍数を計ることで目的にあった客観的な強度を見ることができ、
無理なく効果的に運動を続けることができるとお話させていただきました。
そこで今回は、心拍数によってどのような効果があるかをお話ししていきたいと思います。
まず、心拍トレーニングを行うに当たって、最大心拍数が重要となってきます。
なぜならば、心拍トレーニングは最大心拍数(HRmax)に対する割合(%HRmax)で
表されることがほとんどだからです。
最大心拍数は年齢や性別など様々な要因があり、同じ年齢・性別でも個人差が見られます。
正確に計るためには医療機関等で運動負荷試験というものを医者立会いのもとで実施しなければわかりません。
が、この運動負荷試験というものはもの凄くシンドい体力テストのようなものなので、
よっぽどモチベーションが高くなければただ疲れるだけで、きちんとした数値を求めることができません。
簡単な求め方としては
・最大心拍数=220 - 年齢
というものが有名ですが、これは誤差が結構あります。
なので最近では
JACC(The Journal of American College of Cardiology)の提唱する年齢・性別を考慮した計算式も発表されています。
男性:HRmax=214 - (年齢×0.8)
女性:HRmax=209 - (年齢×0.7)
コチラのほうがより正確性が高いと思われますので、こちらの計算式でHRmaxを求めてください。
ただし、あくまでも簡易計算ですので誤差があることは念頭にいれておいてください。
さて、最大心拍数を求めることができたらいよいよ強度を出していきましょう。
運動強度の求め方も色々とあって一番簡単な方法は、最大心拍数にそのまま目的とする割合を掛けたものです。
計算が簡単ですぐに答えを求めることができるのですが、人の体には安静時心拍数といって、
じっとして動いていないときにも心拍があり、その安静時心拍数も個人差があります(有酸素トレーニングを
積んでいる人ほど低くなります)。
そこで、安静時の心拍数も考慮にいれた運動強度を求める数式もカルボーネンという研究者が導きだしていますので、
今回はそのカルボーネン法で計算をしてみましょう。
その前に、どれくらいの%だとどういった効果かを示しておきます。
ただし、このパーセンテージは有酸素運動を定期的に(週2~3回程度)行っている方になります。
これから自転車を始めよう、という方はいきなりこの強度でやってしまうと障害の元になってしまいます。
それぞれ10%ずつ下げたところから始めてみてください。
50~60% ウォームアップ、クールダウン、積極的回復
60~70% シェイプアップ、脂肪燃焼効率アップ
70~80% 循環器系能力アップ
80~90% 持久力アップ
90%~ 有酸素系最大能力アップ
また、いきなり高い強度から始めるのではなく、徐々に強度を上げていきましょう。
上図はPolarの考えるスポーツゾーンを表したものです。
で、重要なカルボーネン法の運動強度を求める計算ですが、その前に安静時心拍数を測りましょう。
心拍計を持っていれば心拍計で、なければ人差し指と中指を使って計ります。
人差し指と中指を反対側の手首の親指側もしくは顎下近辺の首に軽く添えます。
するとドクドクと脈打っているのがわかると思います。
そのドクドクを仰臥姿勢(仰向けですね)で1分間計ります。(20秒測って3倍でもO.K.です)
安静時心拍数を計ることができたら、
・運動強度心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)×運動強度%+安静時心拍数
の式に当てはめましょう。
これであなたにとって必要とする強度の心拍数が求められます。
目的にあった強度の心拍数で無理なく安全にトレーニングをしていきましょう。
ただし、これ重要なことなんですが
人の身体は機械ではないので目的とする範囲の心拍数をちょっと超えてしまったからといって
いきなりその効果がなくなるわけではありません。
あくまでも分かりやすいように区切っているだけであって、実際にはグラデーションが掛かっているかのように
徐々に効果が変わっていきます。
なので、数値ばかりをみてトレーニングするのではなく、おおよそこれくらいという気持ちで
続けていくと長続きしやすいと思います。
次回は心拍数と密接なつながりを持つ、身体の中のエネルギー供給機構についておはなししたいと思います。
TEXT by D.Satoh 2010/11/27